新規営業を増やすときに、まず必要になるのが顧客リストです。
営業リストを購入する方法もありますが、費用がかかります。実際に自社に合う会社かは確認が必要ですし、古い情報や質の低いリストが混ざっている可能性もあります。
そこで便利なのが、ネット上の公開情報を整理して、自社向きの見込み客リストをAIで作る方法です。
高額なリストをいきなり買わなくても、AIを使えば小さく、安く営業の候補探しを始められます。
ただし、メールアドレスや電話番号を使うときは、守りたいルールもあります。この記事では、無理のない始め方を紹介します。
AIで営業リストを作るには

たとえば「岐阜市の建設業で、ホームページはあるが問い合わせ導線が弱そうな会社」を探したいとします。
AIやシステムを使えば、公開されている会社情報をもとに、次のような一覧を作れます。
- ›会社名・所在地・業種
- ›ホームページURL
- ›公開されている電話番号や問い合わせ窓口
- ›サービス内容や特徴
- ›提案につながりそうなポイント
人が一社ずつ検索してExcelへ貼り付ける作業は時間がかかります。AIを使うと、候補の整理、重複の確認、業種分け、ホームページの要約を早く進められます。
AIが得意なのは、情報を集めて見やすくすることです。最終的に営業するかどうかは、人が判断します。
実際に作った仕組みは「営業に使える形」まで整理する
この考え方をもとに、岐阜市の製造業を対象とした営業候補リストを実際に作りました。AIに「営業リストを作って」と丸投げしたのではなく、公開情報を集めてExcelへ整理していくプログラムを組んでいます。

流れは、次のような形です。
- ›国税庁法人番号公表サイトから、法人番号・名称・所在地を確認する
- ›法人番号を手がかりに、Google Mapsなどの公開情報を調べる仕組みを動かす
- ›公式サイトや問い合わせ窓口など、営業に必要な情報を確認する
- ›集めた情報をExcelシートへ転記し、確認状況を管理する
- ›AIで想定ニーズや提案の切り口を整理し、人が最後に確認する
公開情報を集めるプログラムと、AIで考える部分を組み合わせて、営業に使える形まで整理しています。 その上で、人が公式サイトを確認して「営業する候補か」「何を提案できそうか」を決めます。
AIに会社名を並べさせただけではなく、公開情報の調査、Excelへの整理、提案準備までを営業で使える形に設計した仕組みです。
実際のリストには会社名や連絡先、営業メモが入るため、そのまま公開はしません。ここでは、どのような公開情報を使い、どこまで整理しているかだけを紹介します。
顧客リストは最初は100社ぐらいで十分

最初から何千社ものリストを作る必要はありません。件数だけ増やすと、対象外の会社や古い情報も混ざりやすくなります。
まずは地域・業種・提案内容を絞って、100社ほどの候補を作ってみましょう。
たとえば、次のように絞れます。
| 項目 | 例 |
|---|---|
| 地域 | 岐阜市・各務原市・羽島市 |
| 業種 | 建設業、製造業、士業、美容、飲食 |
| 提案 | ホームページ改善、問い合わせ対応、事務の効率化 |
| 条件 | 公式サイトがあり、公開窓口が確認できる会社 |
その後は、反応を見ながら「どの業種に話を聞いてもらいやすいか」「どんな提案に関心があるか」を記録します。広告費をかけて集客を広げるのは、この小さな検証で手応えが見えてからでも遅くありません。
営業リストの成果は、件数ではなく、相談や商談につながる条件が分かることです。
リスト購入と、AI・プログラムで作る方法の違い

リスト購入は、すぐに多くの候補を手に入れたいときに便利です。一方で、地域や業種を細かく絞って、自社向けに試したい中小企業には、AIとプログラムを使った小さなリスト作りが向いています。
AIだけで、自動的に正しい営業リストが完成するわけではありません。公開情報を集めるためのプログラムや、集めた情報を整理する仕組みも必要です。AIは、会社の情報を読みやすくまとめたり、業種や提案の切り口を考えたりする役割で使います。
最初から大きな費用をかけず、AIとプログラムで営業の当たりをつけられるのが、この方法のよさです。
もちろん、AIだけで正しいリストが完成するわけではありません。情報が古いこともあるので、連絡前に公式サイトを軽く確認する流れを入れておくと安心です。
公開情報を使うときに法的に気をつけること

会社のホームページにメールアドレスが載っていても、すぐに営業メールを送ってよいとは限りません。広告・宣伝目的のメールには、特定電子メール法が関係します。
少し難しく感じるかもしれませんが、まずは次の3つを意識すれば大丈夫です。
- ›「営業メールお断り」と書かれた相手には送らない
- ›配信停止や連絡不要の希望があれば、すぐにリストから外す
- ›一斉送信の前に、送信者名・連絡先・配信停止方法を確認する
公開されているメールアドレスを抽出できることと、自由に一斉送信できることは別です。 判断に迷う場合は、紹介、イベント、資料請求など、相手が関心を示した接点から始める方が自然です。
詳しいルールは、消費者庁の案内も確認してください。
電話番号や個人情報も、使い方を決めておく

代表電話や問い合わせフォームを候補リストに記録することはできます。ただし、個人の携帯番号、個人SNS、私用メールアドレスまで集める必要はありません。
名前から個人が分かるメールアドレスなどは、個人情報に当たる場合があります。個人情報保護委員会のFAQも確認しながら、会社の公式サイトにある公開窓口を中心に使うのが分かりやすい方法です。
また、サイトによっては情報収集や再利用に関する利用規約があります。取れる情報を全部集めるのではなく、公式に公開された必要な情報だけを使うくらいの考え方がちょうどよいでしょう。
システム化するときに残しておきたい項目

営業リストを続けて使うなら、会社名や連絡先だけでなく、次の項目を残しておくと後から困りません。
| 項目 | 入れておく内容 |
|---|---|
| 取得元 | 確認した公式サイトURL |
| 確認日 | 情報を見た日 |
| 提案メモ | 何を提案できそうか |
| 連絡履歴 | 電話・メール・フォームの対応 |
| 除外理由 | 連絡不要、対象外、重複など |
連絡しない会社をきちんと管理することも、営業リストを使い続けるための大事な仕事です。
広告費をかける前に、小さく反応を確かめる

営業リストを作ったら、すぐに大きな広告費をかける必要はありません。いきなり費用をかけると、誰に何を伝えれば反応が出るのか分からないまま、予算だけを使ってしまうことがあります。
まずは100社ほどの小さなリストで、どの業種に、どんな提案が響くのかを確かめましょう。問い合わせや商談につながった内容を見ながら、リストの条件、営業文、ホームページの導線を少しずつ改善していきます。
広告は、反応が出る条件を見つけてから広げる方が、ムダな費用を抑えやすくなります。 広告を始める前には、集客から問い合わせまでの流れも確認しておくと安心です。
まとめ
公開情報とAIを使えば、高額な営業リストを最初から購入しなくても、自社に合う見込み客を探せます。
大切なのは、たくさん集めることではありません。地域・業種・提案内容を絞り、まずは100社ほどで反応を確かめることです。
AIで調査と整理をラクにしながら、メールや電話は相手の意思を大切にして進める。これが、小さな会社でも続けやすい営業の仕組みになります。
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広告費をかける前に、集客から問い合わせまでの流れも確認しておくと安心です。







