商談前の準備は大切だと分かっていても、忙しい営業現場では後回しになりやすい業務です。
お客様のホームページを開いても、どこを見ればよいか分からない。会社概要とサービス内容をざっと見て、あとは当日の会話に任せてしまう。毎回その場では何とかなるものの、商談後に「もう少し調べておけば、違う質問ができたかもしれない」と感じることがあります。
生成AIを使うと、商談前の情報整理をかなりラクにできます。
この記事では、お客様のホームページをもとに、業種理解、想定課題、商談で聞くべき質問、提案の方向性を整理する方法を紹介します。
商談前の準備で時間がかかる理由

商談前の準備が重く感じるのは、やることが多いからです。
たとえば、次のような確認が必要になります。
- ›お客様がどんな事業をしているか確認する
- ›主な商品やサービスを理解する
- ›誰に向けて売っている会社か考える
- ›ホームページやSNSの印象を見る
- ›問い合わせ導線や予約導線を確認する
- ›商談で聞くべき質問を整理する
- ›自社サービスとつながる提案の切り口を考える
これを毎回ゼロから行うと、かなり時間がかかります。
特に中小企業や個人事業主向けの営業では、お客様ごとに業種も規模も悩みも違います。製造業、飲食店、美容サロン、士業、建設業、教室、医療系サービスなど、相手によって見るべきポイントが変わります。
そこでAIを使い、まずはホームページの情報から「仮説」を作ります。
大事なのは、AIに正解を出してもらうことではありません。商談前に見るべきポイントを整理し、当日確認すべき質問を増やすことです。
ホームページから分かる情報をAIに整理してもらう

最初にやることは、お客様のホームページ情報をAIに整理してもらうことです。
URLをそのまま読み込めるAIツールを使う場合は、お客様のホームページURLを入力します。URLを読めない場合は、トップページ、サービス紹介、料金ページ、会社概要、よくある質問などの文章をコピーして使います。
ただし、使うのは公開されている情報だけにします。商談メモ、個人名、未公開の相談内容、取引条件などは、社外のAIサービスにそのまま入力しないようにしましょう。
たとえば、次のように依頼します。
以下は、商談予定のお客様のホームページ情報です。 この会社について、営業前に理解しておくべき内容を整理してください。 整理してほしい項目: 1. 事業内容 2. 主なお客様 3. 強みとして打ち出している点 4. ホームページから見える集客・営業上の特徴 5. 商談前に追加で確認した方がよいこと ホームページ情報: (ここに公開ページの文章を貼る)
この段階では、細かい提案まで出させるより、まず相手の事業をつかむことを優先します。
自分でホームページを読むだけだと、どうしても目立つ情報だけに引っ張られます。AIに一度整理させると、会社概要、サービス内容、対象顧客、導線、表現の特徴を分けて見やすくできます。
お客様が困っていそうなことを仮説として出す

次に、ホームページから見える範囲で、お客様が困っていそうなことを仮説として出します。
ここで大切なのは、決めつけないことです。
ホームページが古いから集客に困っているはず、料金表がないから営業が弱いはず、と決めつけて商談に入ると、相手に失礼になることがあります。あくまで「確認するための仮説」として扱います。
AIには、次のように依頼します。
上記のホームページ情報をもとに、 この会社が営業・集客・問い合わせ対応・事務作業で困っていそうな点を 仮説として整理してください。 注意: - 断定せず、「可能性がある」という表現にしてください - 商談で確認すべき質問もセットで出してください - 中小企業の現場で起きやすい悩みに寄せてください
出てきた内容は、そのまま商談で話すのではなく、質問に変換します。
たとえば、AIが「問い合わせ導線が分かりにくい可能性があります」と出した場合、そのまま指摘するのではなく、次のように聞きます。
- ›ホームページからの問い合わせは月にどれくらいありますか?
- ›電話、メール、LINE、フォームのどれが一番多いですか?
- ›問い合わせ後の返信や見積作成で時間がかかる部分はありますか?
- ›お客様からよく聞かれる質問は決まっていますか?
このように、AIの仮説を「相手に確認する質問」に変えると、商談の会話が自然になります。
商談で聞くべき質問リストを作る
商談前に質問リストを作っておくと、聞き漏れを減らせます。
営業経験が長い人は、会話の中で自然に質問できます。しかし、毎回その場任せにしていると、担当者によって聞く内容がばらつきます。新人や別部署の人が商談に入ると、確認すべきことが抜けることもあります。
AIを使うと、商談の目的に合わせた質問リストを作れます。
私は中小企業向けに、AI活用・業務効率化・ホームページ改善の提案をしています。 以下のお客様と初回商談をします。 ホームページ情報と仮説をもとに、 商談で聞くべき質問を作ってください。 条件: - 最初に聞く軽い質問 - 課題を深掘りする質問 - 現在の運用を確認する質問 - 提案につなげる質問 - 相手が答えやすい自然な聞き方
質問は、多すぎると使いにくくなります。
実際の商談では、10個も20個も順番に聞くより、重要な質問を5つほど用意しておく方が現実的です。
たとえば、次のような形に絞ります。
- ›今、一番時間がかかっている営業・問い合わせ対応は何ですか?
- ›ホームページから来たお客様には、どのように返信していますか?
- ›提案資料や見積説明は、担当者ごとに作っていますか?
- ›よく聞かれる質問や説明が難しい内容はありますか?
- ›今後、増やしたい問い合わせや相談はどのようなものですか?
質問リストを作っておくと、商談中に焦りにくくなります。相手の話を聞きながら、必要なところだけ確認できます。
提案のたたき台を作っておく

商談前に、提案のたたき台まで作っておくと、会話の質が上がります。
もちろん、商談前の段階では本当の課題は分かりません。実際には、相手に話を聞いてから提案内容を決める必要があります。
それでも、あらかじめいくつかの提案パターンを考えておくと、商談中に「その場合なら、こういう進め方があります」と話しやすくなります。
AIには、次のように依頼します。
このお客様に対して、商談前の仮説ベースで提案の方向性を3つ出してください。 条件: - まだ商談前なので断定しない - 小さく始められる提案にする - お客様のホームページや営業導線とつながる内容にする - それぞれ、確認すべき質問も添える
たとえば、次のような提案の方向性が考えられます。
| 仮説 | 提案の方向性 | 商談で確認すること |
|---|---|---|
| 問い合わせ後の返信に時間がかかっている | よくある問い合わせ返信のテンプレート化 | 返信に使っている文面や対応件数 |
| サービス説明が口頭に頼っている | 提案資料や説明ページの整理 | よく説明している内容、伝わりにくい点 |
| 相談前の不安が残っている | FAQや事例ページの追加 | お客様からよく聞かれる質問 |
| 見積説明が担当者ごとに違う | 見積説明文や料金比較表の標準化 | 見積後に迷われやすいポイント |
この表があるだけでも、商談前の頭の整理がかなりラクになります。
重要なのは、商談前に提案を決めきらないことです。あくまで会話の準備として使います。
AIに任せすぎると危ないポイント
AIで商談準備をすると便利ですが、注意点もあります。
まず、AIが出した課題は事実ではありません。ホームページから見える範囲での推測です。
そのため、商談では「御社はここが課題ですね」と決めつけるのではなく、「このあたりでお困りのことはありますか?」と確認する聞き方にします。
また、競合比較や売上状況、社内体制などは、ホームページだけでは分かりません。AIがそれらしく書いても、実際とは違う可能性があります。
特に注意したいのは、次の点です。
- ›AIの推測を事実として話さない
- ›公開されていない顧客情報を入力しない
- ›相手の弱点を指摘する言い方にしない
- ›業界事情を分かったつもりで話さない
- ›最終的な提案内容は商談後に整理する
AIは、商談準備の時間を減らす道具です。営業判断そのものを任せるものではありません。
社内で使うなら準備シートにしておく

商談準備を毎回AIで行うなら、社内で使える準備シートにしておくと便利です。
たとえば、次のような項目を固定します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 商談先の会社名 |
| ホームページURL | 事前確認するページ |
| 事業内容 | AIで整理した概要 |
| 主なお客様 | BtoB、BtoC、地域、業種など |
| 想定課題 | 断定ではなく仮説として記載 |
| 質問リスト | 商談で確認すること |
| 提案の方向性 | 可能性のある支援内容 |
| 商談後メモ | 実際に分かったこと |
| 次のアクション | 資料送付、見積、追加確認など |
この形にしておくと、営業担当者ごとの準備のばらつきを減らせます。
また、商談後に実際の内容を書き足せば、次回提案やフォローにも使えます。商談前の準備と商談後の整理を同じシートでつなげると、営業活動が属人化しにくくなります。
まとめ
商談前の準備では、お客様のホームページを読むだけでなく、そこから何を確認すべきかを整理することが大切です。
AIを使うと、事業内容の整理、想定課題の仮説出し、質問リスト作成、提案のたたき台作成までを短時間で進められます。
ただし、AIが出した内容はあくまで仮説です。商談では決めつけず、相手の話を聞きながら確認していきましょう。
営業準備を毎回その場任せにせず、AIと準備シートを使って型にしておくと、担当者ごとのばらつきを減らし、商談後の提案にもつなげやすくなります。
岐阜で営業活動や提案資料づくりを見直したい方へ
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このようなお悩みがある場合は、現在の営業フローを整理するところから一緒に考えます。
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